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松緑、彦三郎、亀蔵、梅枝、萬太郎が御園座「吉例顔見世」お練り
10月1日(月)から始まる御園座「第四十九回 吉例顔見世」に出演の尾上松緑、坂東彦三郎、坂東亀蔵、中村梅枝、中村萬太郎が、成功祈願とお練りを行いました。
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6年ぶりに御園座に帰ってくる「吉例顔見世」。待ち焦がれた地元の熱気もあってか、35度を超える猛暑の中、御園座にほど近い大須商店街を、出演者五人が人力車に乗ってお練りをしました。信長の父、織田信秀が開基した萬松寺の前で、お集まりの大勢の皆さんに出迎えられた五人は、爽やかなそろいの浴衣姿。名妓連のご連中と一緒に、夏休みで賑わうアーケードの中をゆっくりと進んでいきました。
「音羽屋!」「萬屋!」と声が飛び交い、たくさんのカメラが向けられて、先頭を行く松緑は笑顔で手を振り続けます。彦三郎と亀蔵、梅枝と萬太郎も、沿道からの熱い声援に大きく手を振って応えていました。うちわで涼をとりながら、およそ30分かけて萬松寺に戻ってきた五人は、本堂で成功祈願のご祈祷ののち、今度は山門を守る白龍のモニュメント像のところに登場、集まった大勢の歌舞伎ファンを前に挨拶しました。
「名古屋の皆さん、お久しぶりでございます。久しぶりに名古屋に帰ってまいりました」と呼びかけた松緑は、「新しい御園座の開場、これまでも使いやすく、大好きな劇場でしたので、新しい劇場も今からとても楽しみです。再来月、1日から25日まで公演をさせていただきます。私は昼の部夜の部、両方に出演させていただきますので、奮って応援に来てくださるとうれしいです」と挨拶して、大きな拍手を浴びました。
「僕は昨年の5月に歌舞伎座で、父が名のっていた彦三郎の名前を九代目として襲名させていただきました。今回、彦三郎になって初めての名古屋ですので、とても楽しみにしております。とにかく頑張ります」と意欲を見せた彦三郎に温かい拍手が送られ、同じく襲名後初の名古屋となる亀蔵も、「4月に御園座が新装開場いたしまして、今度の10月は久しぶりの御園座での顔見世。これを機に、御園座に来たことがない方、ある方、そしてここにいらっしゃる方も、ぜひ、お待ちしております」。
「今月歌舞伎座に出ておりまして、芝居が終わってすぐ新幹線に乗ってやってまいりました」とアピールした梅枝に拍手が起こり、「ぜひ、足をお運びください」と結んだあとは、萬太郎が、「今回、新しくなった御園座で『連獅子』の仔獅子の精を初役で勤めさせていただきます。松緑の兄さんにひと月、くらいついて頑張りたいと思います」と気合を込めました。最後は信長の逸話にちなんだ地元名物の身代わり餅がまかれ、盛況のうちにお開きとなりました。
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お練り終了後、暑さの厳しいなか、皆さんが笑顔で声援を送ってくださったことに驚きとともに深く感謝した松緑は、「御園座新装開場、その1回目の顔見世に出演させていただくのが、とてもうれしい。昼の部、夜の部ともに責任がある大きな役でさせていただきますが、初めて歌舞伎を観る方にもわかりやすい演目だと思いますので、皆さんが応援に御園座に来ていただけましたら」と、にこやかに語りました。
彦三郎も「とにかく見に来ていただけるよう、僕ら皆、力を合わせて一所懸命頑張ります」と続け、亀蔵は「久しぶりの顔見世なので、待っているお客様がとても大勢いらっしゃると思います。お客様のご期待に応えられるように皆勤めます」と、一丸となって「吉例顔見世」の公演に力を注ぐことを誓いました。
梅枝も新しい御園座で初めての顔見世に出られることを喜び、「顔見世自体も久しぶりの出演ですので、一所懸命勤めます」と語り、萬太郎が最後に、「この新しい御園座が、より勢いに乗れるように頑張りたいと思います」と、頼もしい言葉で締めくくり、全員が新しい御園座最初の「吉例顔見世」に、一人でも多くのお客様がお越しいただけるようにと願いました。
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御園座「第四十九回 吉例顔見世」は、10月1日(月)から25日(木)までの公演。チケットは、9月4日(火)から御園座で、9月6日(木)からはチケットWeb松竹、チケットWeb松竹スマートフォンサイトで発売予定です。