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尾上右近『石橋』で新橋演舞場イベントに登場
7月25日(水)、新橋演舞場でメルセデス・ベンツ日本株式会社の新型Cクラス発表会が開催され、尾上右近が舞踊『石橋(しゃっきょう)』を披露しました。
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スクリーンに咲いた紅白の牡丹を背景に、長唄と鳴物がせり上がって始まった『石橋』。花道から右近の獅子の精が現れると、客席の空気も一変、今回の発表会のためにつくられた特別版の『石橋』上演となりました。舞台いっぱいに花道まで使って見せた勇壮な毛振りのスピードが増すにつれ、会場の緊張感も高まります。極まったところで舞台が廻り、獅子の精から入れ替わるように紅白の新型Cクラスが登場。ドラマチックな転換に大きな拍手が沸き上がりました。
伝統ある古典の舞踊『石橋』を現代の若手歌舞伎俳優が披露した舞台で、132年前にクルマを発明したダイムラー社が最先端技術の粋を集めた新型モデルを発表、その自然な流れが違和感なく客席に伝わってきました。
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新橋演舞場で自動車会社として初めての発表会となった今回、「スーパー歌舞伎の発祥地、歌舞伎の革新を発信した新橋演舞場にふさわしい」イベントと語ったのは、メルセデス・ベンツ日本株式会社上野金太郎代表取締役社長兼CEO。発表会に登場した新型Cクラスは、「伝統を守りつつ、革新し続ける“Never Stop Improving”を体現したモデルです」と紹介しました。
歌舞伎の世界に身を置きながらさまざまな挑戦を続けている右近にとっては、「今まであるものを進化させ続けるのは、相反する部分もあって本当に難しい」という実感があると言います。「今回、伝統と革新が新型Cクラスのテーマとうかがい、現代の空気を感じながら歌舞伎をやっている自分のなかに、そのテーマを思い描きながら、思いを込めて踊りました」。
一人で『石橋』の獅子の精を踊ったのは初めてという右近は、四天の衣裳も初めてで、「立役のお役として一つの経験をさせていただきました」と喜びました。スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』のあと、初めての歌舞伎以外の現代劇出演が続き、「久々に古典の歌舞伎の衣裳をつけ、古典の化粧をしました。非常に感動して、歌舞伎の力ってすごい、自分を鼓舞してくれる、力をもらえる、やはり鎧のようなものだなとあらためて思いました」。
伝統と革新をテーマにした新車発表会は、そこに込められたさまざまな思いにより、歌舞伎とクルマが一つに融合したイベントとなりました。