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「KAWAII KABUKI」で獅童、巳之助が大活躍
3月10日(土)、東京 サンリオピューロランドで開幕する「KAWAII KABUKI ~ハローキティ一座の桃太郎~」で公開ゲネプロが行われ、脚本・演出・作詞の横内謙介、歌舞伎演技指導の市川笑三郎が作品について語りました。
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獅童と巳之助も楽しめる作品と太鼓判
伝統文化の代表である歌舞伎と、クールジャパンの一端を担うハローキティが融合した「KAWAII KABUKI ~ハローキティ一座の桃太郎~」。開演に先立ってサンリオピューロランド館長 小巻亜矢は、「ピューロランドは創業27年、“みんななかよく”の理念を表現してきましたが、今回は、“違いを受け入れて心ひとつに、みんななかよく”を、ハローキティをとおしてわかりやすく伝えていきたい」と挨拶。この作品のために客席のシートを総入れ替えし、映像設備や舞台もリニューアルされました。
獅童は声の出演で、「サンリオさんのキャラクターは人気がありますし、子どもの頃からの人気者ですから、コラボレートできるのがうれしいです。ストーリーも非常にわかりやすくできており、さまざまな方に喜んでいただけるものになっています」。巳之助は映像での出演。「歌舞伎だからと難しく考えず、堅苦しくならず、目の前で起きていること、ご覧になっていることを思うままに楽しみ、歌舞伎とキティちゃんの可愛さを楽しんでいただけたらと思います」と、二人がビデオメッセージを寄せました。
客席もかけ声をかけて参加
初めにご案内役の黒衣が登場。歌舞伎通の遊び人源さん(巳之助)とかぶきにゃんたろうが、かけ声や拍手の説明をする映像が流れ、客席と一緒に練習したところで、いよいよ幕が上がりました。定式幕ももちろんハローキティ一座バージョン。そして、「座頭ハローキティでござりまする」と、口上が始まりました。バックの座頭の引幕も見逃せません。
一座は桃太郎の鬼退治の場を上演するのですが、きれのよいダンスあり、廻り舞台を使った演出ありと華やかです。ポムポムプリン、ディアダニエル、シナモロールの三武将が名のりをあげ、「桃太郎家来見参」ときめると、さっそく大きな声がかかりました。登場するなり大見得をしたのはハローキティ。座頭の華があります。歌も入り、ハローキティらしい鬼退治でめでたく幕となりました。
後半はさらに歌舞伎の演出満載で
すると今度は話が舞台裏に移ります。一座の敵役のバッドばつ丸が小道具係に文句をつけており、どうやら一座は俳優と裏方を兼ねている様子。そこに紛れ込んでいたのが鬼ゴロウ、声は獅童です。ここからは、大立廻り、だんまり、『四の切』の階段の出といった歌舞伎の演出が随所に見られ、プロジェクションマッピングも効果的に使われます。遊び人源さんは、かぶきにゃんたろうを使いに出してハローキティたちの危機を救います。
わかりやすいストーリーとせりふで、テーマの「違いを受け入れて心ひとつに、みんななかよく」がうたい上げられて大団円。「今ぞ一つに心を重ね、ご贔屓様に笑顔を届け、KAWAII KABUKIのキティ一座たぁ我らがことだ」と、座頭のきめぜりふに大きなかけ声が飛びました。フィナーレでは隈取もして三武将が飛び六方を見せ、可愛らしい素襖と化粧襷を着けた座頭がしっとりと所作を披露して、出演者全員に大きな拍手が送られました。
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座頭キティちゃんの熱意に負けた
「歌舞伎を題材にしたいというので、無理だよとキティ座頭に申し上げましたら、やるの!と。歌舞伎にするには専門的なことも覚えないとできないと言うと、座頭が、おぼえる!と。それで笑三郎さんにご指導いただきました」と、上演後、横内がユーモアたっぷりに語ると、笑三郎は、「歌舞伎は長い年月をかけて完成させていく演劇ですが、やっていく過程がハローキティ一座の世界観とマッチし、やればできる、という証しを立てていただきました」と笑顔。
「キティちゃんは可愛く、ダニエルは格好よく、ばつ丸は元気よく、プリンは和やかに、シナモンは朗らかに。ダンサーの皆さんも含め一座は仲がいい。仲よく、切磋琢磨しながら作品ができたことがうれしいです。今日から観客の一人として純粋に楽しめる作品になったと思います」と、笑三郎は指導の手応えを感じているようでした。
まだまだ成長していく作品
ピューロランドという場所柄、「家族向け、子ども向けと思っていたけれど、大人も楽しんで見ていらっしゃる空間とわかりました。いずれはデートコースにもなってもらえれば」と横内が期待を寄せ、「ぜひ、この劇場に(かけ声をかける)大向うが生まれたらいいな。かける間(ま)を覚えて工夫してもらえたらいいですね」と続けました。
10日(土)に初日を迎えるにあたり、「長い公演になります。さらに練り上げますので、ショーの成長を楽しみに見守ってください」と横内が呼びかけ、笑三郎が「ご覧になって歌舞伎に興味を持っていただきたいですが、まずはKAWAII KABUKIをご贔屓に」と、にっこり語りかけて拍手を浴び、喝采のうちに幕を下ろしました。
「KAWAII KABUKI ~ハローキティ一座の桃太郎~」公式サイト
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