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勘九郎、七之助「平成中村座スペイン公演」のお知らせ
6月27日(水)~7月1日(日)、スペインで「平成中村座スペイン公演」が行われ、中村勘九郎、中村七之助、中村鶴松、そして片岡亀蔵が出演します。
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ニューヨーク公演以来の海外公演
平成中村座が4年ぶりの海外公演として、初めてスペインのマドリードで公演を行い、『藤娘』『連獅子』を上演します。「情熱の国、スペインで公演を催すことができ、祖父、父、私たちと情熱を注いできた『連獅子』を披露できるのが楽しみです」と、勘九郎がうれしそうに話すと、七之助も公演の開催を喜ぶとともに、中村屋にゆかりの深い『藤娘』出演とあって、「よりいっそう身が引き締まる思いです。一所懸命踊り、スペインの方々に喜んでいただける公演にしたい」と、意気込みを見せました。
二人の父、十八世勘三郎の長年の思いを結実させた平成中村座は、2000(平成12)年11月、浅草で産声を上げ、その後、国内にとどまらずアメリカ、ドイツ、ルーマニアの劇場でも公演が行われました。「旅行が趣味の父はとりわけスペインが好きで、フラメンコを観に連日通ったり、そこで飛び入りで踊ったり、美術館巡りも好きでした。サグラダファミリアに感動して、完成したら遺影を持たせて見せてくれとも言っていました」と、勘九郎が家族旅行の思い出を明かしました。
美しさだけではなく、内面も届けたい『藤娘』
今回上演されるのは、中村屋にゆかりの深い2演目。七之助は藤の精を勤める『藤娘』について、「あんな難しい踊り、踊りたくないよ、と父は口をすっぱくして言っていました。また、海外公演で以前、(現地の評で)女方がきれい、衣裳がきれいという言葉しかなかったことを悔しがっていました」と振り返り、「ただきれいなだけではなく、恋する気持ちや内面の美しさがお客様に伝わることをテーマにやっていきたい」と気合を入れました。
『藤娘』は、二人の曾祖父にあたる六世菊五郎がつくり上げた演出が今に残っており、勘三郎は十八代目襲名披露として大阪松竹座で踊っています。七之助も「本当に難しい踊りの一つ」「中村屋にとっては大切なもの」と、特別な思いで臨みます。スペインで舞踊といえばフラメンコですが、「拍子が大切なところ、情熱は(日本の舞踊と)一緒では」と、スペインのお客様にも親しみを持ってご覧いただけることに期待を寄せました。
仔獅子から親獅子へ、思い出とともにつなぐ『連獅子』
『連獅子』は勘三郎の親獅子、勘九郎と七之助の仔獅子で何度も上演。そしてこの元日、八千代座での二人の素踊りが放送されたのが、久しぶりの舞台でした。「父が逝ってしまってから初めて『連獅子』を、それも生まれて初めて親獅子をやりました。いちばん父がちらつく舞踊です。“(是ぞ文殊の)おわします”のところで、父が機嫌のいいときはこういう顔をしていたなと思っていたら、(仔獅子を踊った)七之助から、あの顔してたでしょ、と言われました」。今回は拵えをして初めての親獅子となります。仔獅子に鶴松、宗論には片岡亀蔵が出演。
勘九郎が9歳から踊り続けている『連獅子』だからこそ、「親獅子の父がどんどん変化していった、そんな記憶も出てきます。(初めて仔獅子を踊る)鶴松に父から教わった仔獅子の精神を伝え、子どもたち二人もおりますし、中村屋の『連獅子』をつないでいく、伝えていくその第一歩がスペイン、うれしいです」と、思いがあふれて言葉では言い尽くせない様子に、この舞踊に対する特別感がよく表れていました。
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「日本のプライド、歌舞伎のプライドをかけて、情熱の国スペインに、日本の伝統の踊りとして見せたい。(歌舞伎を)ご覧になったことのない方たちが劇場にいらっしゃると思うので、度肝を抜くくらいの心意気でやりたい」。勘九郎が最後に力強く抱負を述べ、熱い公演にすることを誓いました。
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日本スペイン外交関係樹立150周年
平成中村座スペイン公演
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『藤娘』
『連獅子』
出演:中村勘九郎 中村七之助 中村鶴松 片岡亀蔵
ほか
■日時
2018年6月 | 27日(水) | 20:00 |
28日(木) | 20:00 | |
29日(金) | 20:00 | |
30日(土) | 12:00/20:00 | |
7月 | 1日(日) | 12:00 |
■場所
Teatros del Canal (カナル劇場)
Calle de Cea Bermúdez, 1, 28003 Madrid (España)
■料金
一階席:70ユーロ 二階席:40ユーロ
■お問い合わせ
スペイン公演実行委員会 03-6228-6727(平日11:00~18:00)
日本スペイン外交関係樹立150周年特別サイト