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愛之助ほか「永楽館歌舞伎」出演者が第十回記念のお練り
11月3日(金・祝)、「第十回 永楽館歌舞伎」の初日を前に、出演の片岡愛之助、中村壱太郎、中村種之助、中村寿治郎、そして中村鴈治郎が、「出石お城まつり」でお練りを行いました。
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今年、記念の第十回公演を迎える「永楽館歌舞伎」では、永楽館の柿葺落以来、恒例となっている地元の「出石お城まつり」でのお練り。この秋には、町のシンボルでもある時計台「辰鼓楼」が、5カ月かけて行われた約90年ぶりの大修理で、新たな外観となったお披露目もあり、いつにもまして賑々しいお練りとなりました。
天気にも恵まれ、沿道からのたくさんの声援を受けてお練りがスタート。人力車に乗った五人の俳優が、太鼓と高張提灯に先導されて“但馬の小京都”と呼ばれる出石の皆さんに手を振ります。カラフルな幟が近づくと「お帰りなさい!」と声もかかり、公演出演者たちは笑顔と握手で応えていました。
お練りが終わり、大勢の人であふれる広場の特設ステージに登場した五人は、あらためて出石の町に挨拶。「また帰ってまいりました。10年はあっという間、昨日のことのようです。今年のご当地ゆかりの狂言は『仙石騒動』、本雨を降らせます。かなり水に濡れますので、濡れてもいい格好で見に来てください。早替りもございます。129年ぶりの復活狂言でございます。千穐楽まで全力でやっていきます」と、元気な声を響かせたのは愛之助。
愛之助とともに10回出演の壱太郎は、「第二の故郷だと思って毎年、楽しみにしております。いつの間にか10回目。この燃え上がった火を11回目につなげるよう、皆さんのご協力をお願いいたします。愛之助のお兄さんと10回来られたのが本当にうれしい。12日まで頑張ってまいります」。
寿治郎は、「3年連続のお招き、ありがとうございます。先ほど人力車に乗っていたら、おじさん、と言われましたが、役者に年はない、まだまだ頑張ってまいりたい」と意欲満々な挨拶で、大きな温かい拍手を浴びていました。
種之助は5年ぶり2回目の出演、「初めて来させていただいたときはまだ10代で、お兄さんと町の皆さんの優しさ、温かさに触れ、とても思い出深い公演でございました。役者として少しでも大きくなった姿をお見せしたい。千穐楽まで精いっぱい勤めますのでどうぞよろしくお願いいたします」。
最後に登場した鴈治郎は2年ぶり3回目で、お練りの幟にお帰りなさいと書かれていたのがうれしいと語りました。「全国に芝居小屋はありますが、公演が10回続くのは大変なこと。素晴らしいこと。そこに自分がかかわっているのも大変うれしゅうございます」。
さらに鴈治郎は、「(『芝居前』では)永楽館側の人間となって出ますので、楽しみにしてください。永楽館というところは、芝居小屋の雰囲気を楽しんでいただくところ。皆さんも乗って乗って、どんどん声をかけて。芝居小屋というのは客席も一体になるところです。そうして楽しんでいただきたいと思います」と、開幕前から公演を盛り上げ、景気よく大阪締めで10回目のお練りを終えました。
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出石永楽館「第十回 永楽館歌舞伎」は、11月4日(土)から12日(日)までの公演。チケットは、出石永楽館(電話 0796-52-5300)へお問い合わせください。