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歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」初日開幕

歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」初日開幕

 

 

 2月2日(木)、歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」が初日の幕を開けました。

 昼の部の開場前には、劇場正面にて「一番太鼓の儀」が行われ、集まったお客様の前でご挨拶をした中村勘九郎が、「猿若祭をさせていただけること、その中で息子二人が初舞台を勤めますこと、こんなにうれしいことはございません」と語りました。そして、「これはもう父(勘三郎の力)です」と勘九郎が話したとおりの澄み渡る青空の下、一番太鼓が鳴り響き、猿若祭の開幕が告げられました。

 

歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」初日開幕

 「一番太鼓の儀」左より、歌舞伎囃子方 田中流家元十三代目田中傳左衛門、中村勘九郎、船越直人歌舞伎座支配人

 江戸歌舞伎は、初代猿若勘三郎が寛永元年に現在の京橋付近に猿若座の櫓を上げたことが始まりとされており、「猿若祭」は、江戸歌舞伎の歴史を振り返り、さらなる発展を願って行われる公演です。第四回となる当月は、第二回にて初演された『猿若江戸の初櫓』にて幕を開けます。勘九郎が猿若、七之助が出雲の阿国を勤め、初代猿若勘三郎が江戸の地で歌舞伎興行の許可を得るまでを華やかに描きました。

 

 続く『大商蛭子島』は、天明4年に江戸中村座で初演され、有名な長唄の「黒髪」が初演された作品です。松緑が正木幸左衛門実は源頼朝、時蔵が女房おふじ実は辰姫を演じ、歌舞伎座では実に55年ぶりとなる作品をご覧いただきます。

 

 河竹黙阿弥による白浪物の『四千両小判梅葉』は、勘九郎、七之助の祖父である十七世勘三郎が得意とした演目。江戸城から四千両という大金を盗み出した男、富蔵を菊五郎、その相棒となる藤十郎を梅玉が演じます。

 

 昼の部の切は、日本橋の四季の風景を描いた『扇獅子』です。江戸の華である鳶頭を梅玉が演じ、芸者の雀右衛門とともに、華やかで趣きある舞踊をお楽しみいただきます。

 夜の部の幕開きでは、三代目中村勘太郎 二代目中村長三郎が『門出二人桃太郎』にて初舞台を勤めました。

 

 十八世勘三郎が初舞台で演じ、さらに30年前に父の勘九郎と叔父七之助も勤めた桃太郎は、中村屋にとって非常に大切な演目です。可愛いらしい二人が桃の中から登場すると、客席からは門出を祝う大きな拍手が贈られ、満員のお客様に見守られた勘太郎、長三郎の二人は、花道での見得や鬼との立廻りなど、さまざまな場面を立派に勤めあげました。

 

 夜の部の『絵本太功記』は、謀反を起こした光秀をめぐる重厚な義太夫狂言です。武智光秀を芝翫が勤め、母の皐月を秀太郎、妻の操を魁春、息子十次郎を鴈治郎が演じます。

 

 夜の部の『梅ごよみ』では、十八世勘三郎がたびたび演じた米八を息子の勘九郎が初役で勤め、丹次郎の染五郎を取り合う仇吉の菊之助とともに、深川芸者の意地を艶やかにお見せします。

 

 2階のロビーには、猿若人形や祝幕のデザイン画、また、初舞台を記念して行われた「田んぼアート」で収穫した米なども展示されています。

 

歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」初日開幕

 2階ロビーには、ひびのこづえ氏による『門出二人桃太郎』の祝幕のデザイン画や、初舞台記念の「田んぼアート」イベントで収穫された米などの展示

歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」初日開幕

 勘三郎家に代々伝わる「猿若人形」

 

 

 歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」は、2月26日(日)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹にて販売中です。

2017/02/04