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巳之助、尾上右近、児太郎が「子供歌舞伎教室」で『流星』披露
11月23日(水・祝)、歌舞伎座で「第246回 子供歌舞伎教室」が開催され、坂東巳之助、尾上右近、中村児太郎が『流星』を踊りました。
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都内在住の小学生から高校生までの親子1600名を招待する「子供歌舞伎教室」(主催:公益財団法人都民劇場、共催:東京都、協賛:松竹株式会社・公益社団法人日本俳優協会、製作:歌舞伎座)が開催され、歌舞伎座は早朝からおおいに賑わいました。
『流星』の流星を勤めたのは巳之助。昨年3月南座「三月花形歌舞伎」以来の流星役です。その公演で織女を演じた右近が今回、牽牛を勤めました。二人は今年7月の歌舞伎座で、巳之助が牽牛、右近が織女を演じており、また、平成24(2012)年に行われた「芸の神髄」の公演では、十世三津五郎の流星でも同じ舞台にも立っています。今回、児太郎が初役で織女を勤めました。
客席は歌舞伎を初めて観るという方がほとんどで、初めに、『流星』が踊り仕立ての芝居であることやあらすじなど簡単に紹介がありました。舞台のセリから牽牛、花道のスッポンから織女が登場、2年ぶりの逢瀬を楽しむ様子は、七夕の物語がよく知られていることもあって、お子さんたちにもすんなり伝わり、すぐに舞台に引き込まれていきました。
「ご注進」と花道から現れたのは、流星。あらかじめ流星が、雷夫婦とその子とお婆さんの四人を踊り分けること、そのときに角を替えることを紹介していたので、次々と違う人物を演じ分けるたびに場内がどよめきます。夫婦喧嘩や、入れ歯を飲み込んでしまうお婆さんの慌てぶりには、笑い声も上がり、歌舞伎の楽しさ、面白さも十分伝わったようでした。
流星のユーモラスで軽快な踊りと、織女と牽牛の優雅な踊りで、歌舞伎らしい面白さを堪能したひと幕に、場内は大きな拍手に包まれました。