ニュース
五代目中村雀右衛門襲名披露、大阪松竹座「七月大歌舞伎」船乗り込み
6月29日(水)、大阪松竹座「中村芝雀改め五代目中村雀右衛門襲名披露 七月大歌舞伎 関西・歌舞伎を愛する会 第二十五回」出演者が、船乗り込みでご当地の皆さんに挨拶をしました。
▼
道頓堀川の両岸に傘の花が開いた今年の船乗り込み。出発地となった八軒家浜にもたくさんのファンの方々が詰めかけて、雨にも負けず、例年に変わらぬ盛り上がりを見せ、梅雨空を背景に俳優たちの真っ白な浴衣姿がまぶしいほどでした。
今年は中村芝雀改め五代目中村雀右衛門襲名披露。船を先導する京屋の紋の入った高張り提灯が近づくと、記念に写真に収めようとする人が川沿いや橋の上へ集まり、紋付袴姿で船に乗り込んだ雀右衛門が、「京屋!」「五代目!」の声ににこやかに手を振って応えていました。俳優たちが船から降り、大阪松竹座前で式典が始まる頃には雨も小止みとなり、早くからお集まりの皆さんを前に、口上が読み上げられ、ご挨拶が続きました。そして、出演俳優が登場、花束贈呈も行われました。
寿治郎、松之助が公演へのご来場を呼びかけたあと、宗生、児太郎、廣松、種之助、廣太郎と若手俳優が「精いっぱい勤めます」と精進を誓い、吉弥、亀鶴、竹三郎、孝太郎、進之介の「よろしくお願いします」と後援を願う挨拶が続きました。
2年連続出演の錦之助は「新雀右衛門のお兄様の襲名披露に一座できましたことを、たいへん光栄に思っております」、4年ぶり出演の團蔵が「昼夜二役、初役にて相勤めさせていただきます」と言うと、橋之助は「雀右衛門のお兄様の襲名披露興行、どうか皆様、お誘いあわせのうえ、多くの方がご見物くださいますよう、よろしくお願い申し上げます」と挨拶しました。
昨年、襲名を披露した鴈治郎は1年5か月ぶりの大阪。「今回は雀右衛門兄さんの襲名披露公演、少しでも盛り上がるようにさせていただきたいと思います。『小さん金五郎』は上方らしいお芝居、夜の部では兄さんの出られる『鳥辺山心中』でお付き合いさせていただきます。皆様に楽しい時間を提供できるようやらせていただきます」。
友右衛門は久しぶりの大阪公演出演となり、「弟の襲名披露ということで緊張しております」と挨拶すると、歌六は「仲のいい雀右衛門さんの襲名披露興行、千穐楽まで一所懸命相勤めます」、秀太郎は「大好きな大恩人であります、京屋のお兄様のお名前を、これまた大好きで仲のいい芝雀さんがご襲名、その大阪での披露興行に参加させていただきますこと、本当にうれしゅうございます」と喜びました。
梅玉も昨年の鴈治郎襲名披露以来の大阪で、「皆で舞台を盛り立てていきたい」と語ると、仁左衛門が「皆で盛り上げたい、それにはやはり、皆様方のお力添えがなくては。どうぞよろしくお願いします」と呼びかけると、それに応えるかのような拍手が上がりました。藤十郎は「雨の降る中、ようこそお越しくださいました。ありがとうございます」と、お集まりの皆さんへの感謝を述べました。
最後に登場したのは雀右衛門。「私は大阪生まれ、ご縁のある大阪で、また、雀右衛門という上方由来の名前を襲名させていただけるということ、そして、この大阪松竹座で襲名披露できますこと、こんなにうれしいことはございません。よりいっそう勉強していい舞台を勤めさせていただきたいと思いますので、皆様、ぜひともお運びいただけますようよろしくお願い申し上げます」。雨も上がっていっそう晴れやかな笑顔での挨拶となりました。
▼
まき手拭いのあとは藤十郎の「雀右衛門さんの襲名披露興行、大入り満員となりますよう、お手を拝借させていただきます」との発声で大阪締め。大阪松竹座「七月大歌舞伎」は、7月3日(日)から27日(水)までの公演。チケットは、チケットは、チケットWeb松竹、チケットWeb松竹スマートフォンサイト、チケットホン松竹にて販売中です。