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鴈治郎襲名披露「四国こんぴら歌舞伎大芝居」のお練りに出演者7名が登場
4月9日(土)に初日を迎える、香川県 旧金毘羅大芝居(金丸座)「第三十二回 四国こんぴら歌舞伎大芝居」の出演者が、金刀比羅宮での成功祈願と地元琴平町でのお練りを行いました。
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四代目中村鴈治郎襲名披露公演として行われる今年のこんぴら歌舞伎。初日前日の8日(金)、四代目お披露目となる鴈治郎をはじめ、坂田藤十郎、中村扇雀、片岡愛之助、市川中車、中村亀鶴、中村壱太郎の7名は、金刀比羅宮の御本宮拝殿に参拝し、公演の無事と成功を祈願しました。約3,500本あるという金刀比羅宮境内の桜が、一行を歓迎するかのように花を散らし、讃岐の春の風物詩、こんぴら歌舞伎にふさわしいスタートを切りました。
続いて、金陵の郷から、恒例となったお練りが始まりました。製作発表会見でも出演者が口々に「楽しみ」と言っていたお練りですが、天気にも恵まれてたいへんな賑わいぶり。一行は手づくりの紙吹雪とたくさんの声援を浴びながら、ようやくセレモニー会場に到着しました。
「6年前に翫雀の名前で参りまして、こうして中村鴈治郎の名前で戻ってまいりました!」との第一声に、襲名を祝福する琴平町の皆さんの熱烈な歓迎を受けた鴈治郎。「祖父(二世鴈治郎)が金丸座の柿葺落で祝舞を踊り、本当に琴平は縁が深い土地だと思っております」と語り、「お練りで皆様に元気をたくさんいただきました。その元気を明日から舞台で皆様にお返したいと思います」との言葉とともにご来場を呼びかけると、会場からは大きな拍手とたくさんの「成駒家!」の声が返ってきました。
次に挨拶に立った藤十郎が、「いつまでも私は若いつもりでおります。若い人と一緒になって頑張ろうと思います」と勢いのある声を響かせると、一段と歓声が大きくなりました。7年ぶりの登場となる扇雀は、「お練りでお帰りなさいと声をかけてくださったことが、本当にうれしかった」と興奮気味に話し、愛之助は「第1回から出させていただきまして、思い起こせば…、中学生でした。ここを第二の故郷のように思っております」と挨拶しました。
中車は初のこんぴら歌舞伎。「今回、鴈治郎のお兄様に連れてきていただき、こうして温かく迎えられまして、明日から本当に頑張りたいと思います」と、意気込みました。6年ぶり出演の亀鶴は、感謝と喜びの言葉が言いつくされたので、とつぶやいて「ぜひ、金丸座へ足をお運びください」と呼びかけて拍手を浴び、壱太郎はお練りでの歓迎ぶりに感謝して「皆様の思いを胸に、朝から晩まで精いっぱい舞台を勤めたい」と精進を誓いました。
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7日(木)の舞台稽古の前には、取材陣の前に鴈治郎が登場し、「皆様にとにかく楽しんでいただくことを基本に、座中一同考えていきたい」と、初日へ向けての意気込みを語りました。6年ぶりの出演となる金丸座については、「お客様との距離が近いので、役者の息吹がお客様に伝わるし、お客様の喜怒哀楽も伝わってきやすい。そこが、たぶん歌舞伎の原点なのだろうと思います。私たちも充分にそれを楽しんで味わえる芝居小屋です」と賞賛しました。
「芝居小屋としての特徴をうまく使えるように、これから初日まで探っていきたい」と、熱っぽく語った鴈治郎ですが、「和気あいあいとできればいい」とも。「仲がよすぎて楽屋の賑やかな声が場内に聞こえてしまうから、気をつけないと」と続け、チームワークのよさを感じさせました。
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旧金毘羅大芝居(金丸座)「四国こんぴら歌舞伎大芝居」は、4月24日(日)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットWeb松竹スマートフォンサイト、チケットホン松竹にて販売中です。