猿之助が『ワンピース』で宙乗り700回
10月18日(日)、新橋演舞場 スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』で、市川猿之助が通算700回目の宙乗りを披露しました。
▼
スーパー歌舞伎II『ワンピース』の新橋演舞場公演も12日目を迎えた18日夜の部で、宙乗り700回を達成した猿之助に聞きました。
――宙乗り700回目、今の気持ちは。
去年、明治座の11月9日(『四天王楓江戸粧(してんのうもみじのえどぐま)』)が600回でしたから、もう100回飛んだのか、という感じです。宙乗りはお客様が昂揚されるし、その近くにも行ける。そして、3階席が宙乗りの“お迎え席”になって特等席にもなる。やっぱり私は宙乗りが好きです。
――今回の宙乗りの特徴は。
ルフィは海では溺れてしまう設定ですから、サーフィンがいいんじゃないかということで、劇場を波に見立てて波乗り板に乗っています。周りのアドバイスで、スノーボードのジャンプの決めポーズも取り入れました。
――これまでの宙乗りと違うところはありますか。
板に両足を固定されているところが難しいです。空中を歩くほうがやりやすい。劇場の機構としてワイヤー2本で吊る宙乗りなので、ぶらぶらして垂直に立てず、どうしても前かがみになるところも難しいですね。
――新橋演舞場では初の斜め宙乗りです。
お客様が喜んでくださるのがうれしいです。2階中央にも、上手(かみて)にも下手(しもて)にも行きますので、皆さんが喜んでくださる。しかも、手拍子をしてくださる。今まで見たことのない光景です。(主題歌「TETOTE」を提供した)ゆずの北川さんが、劇場中に手拍子が起こるようにつくったからと言っていたのですが、実際に初日から手拍子が起こったのですごいなと驚きました。
――猿之助さんも歌っています。
北川さんが、皆で歌えるものにしたから歌ってほしいと言うので、それなら歌おうかと。歌の稽古もしました。覚えやすいので観劇2回目のお客様も歌ってくださっているようです。主題歌1曲分の宙乗りなので、いつもよりかなり長いのですが、歌っているのと、宙乗りと同時に下でもいろいろやっていてお客様の目もあちこちに行くので、長く感じません。
――『ワンピース』の宙乗りとして、目指すところは。
今日も最前列のお客様が立っていらっしゃいましたけど、理想は劇場中のお客様が立って、手拍子をして歌ってくださること。歌舞伎では立ったりしたらいけないように思われているかもしれませんが、第2幕の終わりに関しては皆さん自由に、手拍子をして歌ってください。
――では、最後に今後について。猿翁さんの宙乗りの回数を超えるのが目標とのことですが。
ですからあと4300回、今日までの分の6倍ちょっと。波にも雲にも乗ったし、これからどんな宙乗りをしようか…。10人くらいで飛ぶのもいいですね。技術も進歩してきたので、あとは怪我なくやる、これが一番の目標です。
▼
新橋演舞場 スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』は、11月25日(水)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットWeb松竹スマートフォンサイト、チケットホン松竹にて販売中です。なお、来年3月1日(火)~25日(金)は大阪松竹座での公演が決定しています。