歌舞伎台本を後世に残すプロジェクト、支援者募集
9月8日(火)、公益財団法人松竹大谷図書館がクラウドファンディング「【第4弾】歌舞伎や映画、日本文化の歴史を後世に伝える。」プロジェクトを始動しました。第4弾となる今回のプロジェクトでは、「GHQ検閲演劇台本」のデジタル化に向けた費用と運営資金を募集します。
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演劇と映画の専門図書館として、約45万点の資料を収集、整理、保存し、広く公開している松竹大谷図書館。2012年以来、貴重な資料保存活動への支援者を募り、クラウドファンディングプロジェクトを行ってきました。
戦後70年、貴重な戦後の歌舞伎上演資料のデジタル化を目指して
今回、目指すのは「GHQ検閲演劇台本」のデジタル化です。300冊以上保存されているほとんどが歌舞伎の台本で、表紙には検閲通過の「CP」の印や、上演にあたっての削除箇所の書き込みなど、貴重な情報が含まれています。
「GHQ検閲演劇台本」とは、太平洋戦争終戦直後の約4年間に、連合国軍総司令部(GHQ)の傘下機関、民間検閲局(CCD)によって内容の検閲を受けた台本のこと。上演を予定する台本はすべて、CCDに提出することが義務付けられており、内容が望ましくないと判断された場合には、表現の変更や削除、上演自体が禁止されることもありました。『寺子屋』が反民主主義的と判断され、上演自粛勧告が通達されたのもその一例です。
これらは、戦後の歌舞伎復興史をひも解くには欠かせない資料ですが、経年による劣化がひどく、ともすれば閲覧時に破損してしまうのが現状です。
デジタル化して画像閲覧に切り替えれば、演劇や戦後史の研究が効率化することはもちろん、より多くの歌舞伎ファンが楽しめるものになるはずです。未来の歌舞伎上演に向け、大切な一資料を残すことにもつながることでしょう。
支援はネットから簡単、リターンも魅力
今年も引き続き、クラウドファンディング 「READYFOR」を利用して支援者募集が行われます。プロジェクトの趣旨に共感した支援者は、支援金額に応じた引換券(リターン)を選択できます。松竹大谷図書館の今回のリターンの内容は下記をご覧ください。
10月28日、プロジェクトが成立しました。たくさんのご支援ありがとうございました。
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【第4弾】歌舞伎や映画、日本文化の歴史を後世に伝える。
プロジェクト概要
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■期間
2015年9月8日(火)~10月28日(水)
■支援方法
「READYFOR」の本プロジェクトのページから「引換券」を選び、クリックすると手続きが行えます。
■引換券(支援に対するリターンの引換券)の内容
支援金額に応じて下記のリターンが受けられます(詳細は「READYFOR」の本プロジェクトのページをご覧ください)。
◇松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー2種類1組セット
1. 蔵出し台本「歌舞伎」特製文庫本カバー『勧進帳』
実は台本がつくられるのは珍しい人気演目、『勧進帳』。平成26年3月歌舞伎座の台本です。
2. 蔵出し台本「映画台本」特製文庫本カバー『秋刀魚の味』
小津安二郎最後の監督作。その録音台本の表紙を文庫本サイズのブックカバーに。
◇映画や歌舞伎の台本を保護するカバーに、支援者のお名前を記載
※歌舞伎台本の90作品リストはこちらから
(平成26年11月~27年10月興行の上演台本が中心)
※映画台本、72タイトルのリストはこちらから
(松竹制作・配給の歴代作品、東野圭吾原作作品、恒例の小津安二郎、木下惠介監督作品、キネマ旬報ベストテン受賞作品よりセレクト)
※「寅さん」台本の作品リストは こちらから
(これまでお名入れ希望が多かった映画『男はつらいよ』シリーズは、全48作が対象)
◇「歌舞伎座ギャラリー」招待券
歌舞伎座ギャラリーで現在開催中の 「体験空間 歌舞伎にタッチ -しる・みる・ふれる・やってみる-」展招待券をペアで。
◇松竹大谷図書館所蔵「新派絵本番付」のオリジナル文庫本カバー
川上音二郎の出世作『意外』(明治27年1月浅草座)の絵本番付の表紙と挿絵をデザインに使用しています。
◇松竹大谷図書の見学会にご招待
11月26日(木)午前の部10:00~/午後の部14:00~の2回を予定(1回15名程度、希望回の先着順)。非公開の書庫や博物資料が解説付きでご覧になれます。
■お問い合わせ
プロジェクトについて:
公益財団法人松竹大谷図書館 事務局 03-5550-1694
「READYFOR」について:
READYFOR事務局 info@readyfor.jp 03-5834-7032