新橋演舞場『石川五右衛門』初日の賑わい
1月2日(金)、新橋演舞場「初春花形歌舞伎」が初日を迎え、『石川五右衛門』の上演が始まりました。
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平成21(2009)年8月に海老蔵が挑戦した五右衛門が、さらに大きくスケールアップ。前作の物語に加え、新たな冒険譚を紡ぎだす『石川五右衛門』が新橋演舞場に登場しました。
妖術を使って打ちかかる敵をなぎ倒したかと思うと、今度はその妖術で桜を散らしてお茶々(孝太郎)と二人、しっとりとした舞を見せるなど、序幕から五右衛門の見せ場が続きます。
続いての聚楽第の場面では、「天下人」秀吉(右近)が登場し、歴史を塗り替えた人物と相対することで、いっそうの大きさを見せる五右衛門。南禅寺の山門で秀吉と二人が「絶景かな、絶景かな」と見るのは一面の桜に覆われた日本です。
しかし、お茶々がさらわれ、五右衛門が中国に向かって大海原へと飛び出すところから、舞台は日本から大陸へとさらなる広がりを見せます。大坂城から一気に朝鮮海の船上へ、物語の展開の速さに合わせるように、舞台もスピーディーに転換して見せ場をつくります。
中国には、極悪非道の限りを尽くすワンハン(獅童)と、その暴君を倒そうとするヌルハチがいます。お茶々を探し求める五右衛門は二人と出会うことで、運命が大きく変わり、やがて一つの野望を抱くことになります。その大望をかなえたとき、五右衛門が「はて、うららかな眺めじゃなあ」と言った景色とは…。
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龍との大立廻り、鳥を使った宙乗りでの登場、ダイナミックな舞台転換など、息つく間もなく見せ場が続き、劇場いっぱいに龍の踊りを見せる村人たちには、お客様から自然と手拍子も起こりました。物語が展開するにつれてその世界が広がり、五右衛門の活躍も派手に、舞台は華やかになっていきます。海老蔵が会見で語っていたとおり、初春歌舞伎にふさわしい一本となりました。
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新橋演舞場「初春花形歌舞伎」は25日(日)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹にて販売中です。