猿之助が語る「松竹大歌舞伎 東コース」
7月1日(月)から始まる巡業公演「(公社)全国公立文化施設協会主催 東コース 松竹大歌舞伎」は、市川亀治郎改め四代目市川猿之助襲名披露公演となります。巡業公演での襲名披露にあたり、猿之助が思いを語りました。
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大劇場と同じ芝居を
福島をはじめとする東日本大震災の被災地でも上演が決まった、今回の東コース。「大劇場と同じクオリティー、熱気、感動を」と巡業公演の意義を語ると同時に、「全国各地にはとても素晴らしい劇場があります。劇場はいかに魂を込めるかだと思いますので、お客様にも"お祭り"に参加するような感じで、一緒に伝統芸能である歌舞伎に参加していただいて、地域に根付かせていただければ」と、力を込めました。
「歌舞伎座が休場していたときに、歌舞伎を支えてくれた劇場も大事にしていきたい」。猿之助の言葉には、巡業公演を支えてきた全国各地の劇場ももちろん含まれています。そして、「ゆくゆくは移動式宙乗りも」アイディアの一つとしてあると言い、異なる条件の劇場やホールでの巡業公演は「制約の中でいかに最大限のものをお見せできるか。各自が劇場ごとに考えながらやっていると思います」と、巡業だからこその演じ手の意欲を見せました。
さらに探求していきたい『四の切』
今回の公演で猿之助が出演するのは、襲名披露公演で上演を重ね、人気も高い『四の切』です。「三代猿之助を語るときに『四の切』『ヤマトタケル』『黒塚』は外せません。その中で今回の条件に最適なものを選んだ結果です」。
義経役の梅玉とは御園座公演でも共演しており、「伯父(猿翁)の『黒塚』の雰囲気を知っている人が同じ舞台にいてくださって、とても安心できた」と感謝し、絶大な信頼を置いています。そんな共演者を得て、さらに『四の切』を探求しようとしている猿之助。「同じ作品を何度見ていただいても、きっと毎回、感じ方に違いがあることも味わっていただきたいし、それも歌舞伎の魅力」と言う猿之助にとって『四の切』は、「本当に演じたい」とても特別な演目の一つのようです。
襲名披露公演につきものの祝幕も、「歌舞伎の伝統の一つなので、各劇場でぜひお目にかけたい」とのことで、お客様とともに公演をつくっていきたいとの熱い思いが伝わってきます。「ただ、不死身ではないので、暑さに負けないように、怪我がないように」、万全を期して東コースを駆け巡ります。
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「(公社)全国公立文化施設協会主催 東コース 松竹大歌舞伎」のチケットは好評販売中。チケットWeb松竹で取扱いのない公演は、こちらの公演情報より、各公演の「会場」のサイトをご覧ください。