幸四郎、福助、染五郎が語る「日生劇場 二月大歌舞伎」

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 2月4日(月)に初日を迎える「日生劇場 二月大歌舞伎」の開幕を前に、松本幸四郎、中村福助、市川染五郎が会見を行いました。

華やかに幕を開け
 2月公演の幕開きは、幸四郎による『口上』です。「役者幸四郎としてより、父幸四郎として、皆様にご挨拶、お詫び、お礼を申し上げたい」と、8月の末に怪我をして以来、休演、療養していた染五郎が、この公演で歌舞伎の舞台への復帰を果たすことについての思いを、「口上」の形にして述べることになりました。

 『口上』のすぐ後には、桜満開の『吉野山』、福助と染五郎の華やかな舞踊です。福助は「染五郎さんもエネルギーをいっぱいためて2月の素晴らしい舞台をご披露することと思います。これからの歌舞伎を担っていく染五郎さんが、元気に復帰されることが本当におめでたい」と、共演に大きな喜びを表しました。

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大好きな先輩の当り役
 続く『新皿屋舗月雨暈』は「魚屋宗五郎」として人気の芝居ですが、今回は、発端となる「弁天堂」からの上演です。幸四郎は通し上演では初めてとなる宗五郎役に意欲を見せ、「珍しい通し上演です。きっとお芝居の奥深さがわかっていただけることでしょう。武家と町人の酔態を描き、酒を仲立ちとした両者のドラマとして非常に面白くなると思います」と語りました。

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 さらに続けて、「私には尊敬する3人の先輩俳優がおります。祖父の七代目松本幸四郎、母方の祖父の初代中村吉右衛門、祖父らと同世代の大名優、六代目尾上菊五郎。1月の『戻橋』は七代目の祖父の得意狂言、『逆櫓』の樋口は播磨屋の祖父の得意とする役、そして2月に六代目のおじさんが得意とされた宗五郎。奇しくも好きな先輩の芸をさせていただくことになりました」と、年明けからの役々を、幸四郎が今から楽しみにしている様子がうかがえました。

 福助は「勘三郎の兄の宗五郎で、女房おはまをやったのが思い出深いです(平成12年9月歌舞伎座)。きっとこの公演も天国から兄さんが貸してくださるその力を、皆でお客様にお目にかけたい」と、先日、亡くなった勘三郎さんの思い出とともにあるおはま役について語りました。

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舞台復帰とこれから
 半年ぶりの出演となる2月公演について染五郎は、怪我で休演したことに対するお詫びと復帰への感謝を繰り返し述べるとともに、「自分がもしかしたら(この場に)いなかったかもしれないことを考えると、生かされた責任と役目をまっとうして、2月の舞台からまた戦い続けたいと思っております。大成功になるよう責任をもって勤めたい」と、力強い決意を語りました。

 さらに、コクーン歌舞伎(平成6年6月、8年9月)や『大江戸りびんぐでっど』(平成21年12月)などの新作歌舞伎で、勘三郎さんと共演した思い出を胸に、「勘三郎のにいさんを悔しがらせたい。いろんなものを吸収して歌舞伎にしてしまう精神を受け継いで、僕も大事にやっていければ、と思っています」と、これからも意欲的に取り組む姿勢を表しました。

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2012/12/20