渋谷・コクーン歌舞伎『天日坊』初日を前に出演者らが意気込みを語りました
とどまることなく進化を続けるコクーン歌舞伎、第十三弾の今回は、幕末に上演された河竹黙阿弥の幻の作品『天日坊(てんにちぼう)』の上演です。人気脚本家・演出家・俳優である宮藤官九郎の新たな脚本、串田和美の演出・美術で145年ぶりに『天日坊』が蘇ります。さらに今回は、歌舞伎の邦楽ではなくトランペットを中心とした音楽、串田氏によるデザインを元にした独特の衣裳・・・かつてないコクーン歌舞伎が誕生します!
2月に六代目を襲名した中村勘九郎が天日坊を勤めるほか、中村獅童、中村七之助ら歌舞伎俳優と、ジャンルを超えた個性豊かな俳優たちがシアターコクーンを熱くします! 初日(6月15日)を前に、14日(木)公開舞台稽古を行い、出演者らが意気込みを語りました。
串田和美(演出・美術)
歴史的な始まり、新しい何かの予感がしています。宮藤官九郎さんの脚本は初めてですが、世代は随分違うのに凄く感覚が合っているように思います。今回は衣裳も見どころの一つで、昔の人が役者を大きく見せようと袖をやたらと大きくしたり、髪の毛を目立たせたり、驚かせてやろう!とする江戸時代のそんな気持ちを踏襲して創りました。僕の中の歌舞伎です。皆といろんな新しい事に挑戦し続けながら創り上げた作品ですので、ぜひ観に来て感じてくだされば嬉しいです。
中村勘九郎
串田監督が顔合わせで仰った「コクーン歌舞伎にも伝統が出来たね」という言葉にグッときました。父(勘三郎)を始め皆さんが築き上げてきたものがあって初めてできる新しい作品です。音楽も歌舞伎の下座を一切使わずに、トランペットとパーカッションとエレキギターとベースだけ、今までのコクーン歌舞伎とは根本から違っています。そして18年前コクーン歌舞伎を最初に父が始めたときは勘九郎でしたから、その名を襲名してこの地に立てる事にも誇りを感じています。
中村獅童
本当に面白い作品になりました。黙阿弥の七五調の長ゼリフの中にブルースギターが入ってきたり! ぜひ若い方たちにも観ていただきたいです。まずは劇場にお越し頂いて、生の歌舞伎を体感してください。
中村七之助
父(勘三郎)が脚本を読んで、最初の言葉が「大丈夫か?出来るか?」でした(笑)。その父が稽古を観て、「面白い!」って言ってくれました。宮藤官九郎さんの脚本がこうして形になり、素晴らしい作品が生まれました。ぜひ観に来てください。
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