「猿之助四十八撰」が制定されました
市川猿之助が自身の芸を選び直し、新たに制定した「猿之助四十八撰」の演目が発表され、市川右近、市川笑也、市川猿弥、市川春猿が「猿之助四十八撰」への想いを語りました。
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猿之助には「猿翁十種」(昭和39年制定)・「澤瀉十種」(昭和50年制定)、そして「猿之助十八番」(昭和63年制定)という家の芸がありますが、この度自身が創り上げた、[復活通し狂言十八番][猿之助新演出十集][華果十曲][新作・スーパー歌舞伎十番]の計48作品を、「猿之助四十八撰」として新たに制定しました。
また、この四十八撰には、来月4月新橋演舞場「陽春花形歌舞伎」で上演される『四谷怪談忠臣蔵』も選ばれており、今回の公演は「猿之助四十八撰の内」と銘打ち、制定後初めての上演になります。
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市川右近
この度、私どもの師匠・猿之助が血と汗の滲むような思いで創り上げた偉業が四十八撰という形で制定されましたことを、誠に有難く光栄に感じています。今回制定された48作品の内44の作品に出演させていただいており、その重みをもう一度自分の中で振り返り、今後の糧にしていきたいと思いっています。
今回制定されたこの四十八撰を受け継ぎ、後の世に受け渡していくということは、師匠・猿之助の心意気、生き様、そうしたものも受け継いで行くことでもあり、私どもの使命だと感じております。
この四十八撰の制定後の第一弾として4月新橋演舞場で『四谷怪談忠臣蔵』を勤めさせていただきます。この重責、喜びをしっかりと自分たちの中で消化して懸命に舞台を勤めたいと思っています。
市川笑也
私が猿之助師匠の元に入門させていただいたのは、昭和56年御園座での『慙紅葉汗顔見勢 伊達の十役』、29年前の事ですが、以来一緒にお芝居を作ってこられた事は本当に幸せな事と改めて感じています。
この四十八撰が歌舞伎の古典作品となるように受け継いていきたいと思っています。また今回四十八撰に選ばれましたスーパー歌舞伎、その女方としてもさらに勉強をしなくてはいけないと感じています。
そして4月の新橋演舞場に続き、この四十八撰を含む猿之助作品がさらに上演されますことを願っております。
市川猿弥
制定されました演目を見ますと「こんなにあるんだ」という驚きと共に、不思議と大変だった思いでばかりが湧いて参ります(笑)。師匠はこうして一覧にしてご覧になるのがお好きですから、演目を眺めながら「この時はこうだったね」と仰る姿が目に浮かんで参ります(笑)。
今回制定されたこの四十八撰が、多くの方々に愛され、そして上演され、後世に残っていくことを願っております。
市川春猿
師匠の元に弟子入りしまして22年、これらの演目の多くを師匠とご一緒させていただいて参りました。言い換えますと、この22年間だけをみても、こんなにも沢山の作品を上演してきたということで、改めて師匠の超人的な凄さというものを感じています。
復活狂言、新作、スーパー歌舞伎と師匠は様々な新しい試みの歌舞伎を手掛け続けてきましたが、そうした事が一つの道標となり、現在様々な新しい試みでのお芝居がどんどん上演されいるのだと思います。
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【猿之助四十八撰】