海老蔵 8月新橋演舞場で『石川五右衛門』
8月新橋演舞場では『石川五右衛門』が上演されます。今回の舞台化では、市川海老蔵の石川五右衛門、中村七之助の茶々、そして市川團十郎(特別出演)の豊臣秀吉など豪華な顔合わせが実現。原作は人気漫画「金田一少年の事件簿」「神の雫」やドラマの原作者として活躍する樹林伸。宙乗りなどの舞台機構を駆使してのスケールの大きなストーリー展開、自由を追い求める五右衛門と権力に執着する秀吉の人間同士の対立など、話題満載の『石川五右衛門』。上演を前に市川海老蔵と、原作の樹林伸が舞台への思いを語りました。
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作・樹林伸
本業は漫画の原作や小説・テレビなどですが、今回初めて門外漢という立場で歌舞伎という伝統芸能の世界にやってきました。それは、市川海老蔵君という天才的な才能との出会いがあっての事で、今は彼に恥をかかせたくないという気持ちで頑張っています。
今回、素晴らしいスタッフの方々の力添えでなんとか良い物ができそうです。どうぞ皆さんこの8月の舞台を期待していてください。
市川海老蔵
8月新橋演舞場で、『石川五右衛門』を上演させていただくことになりました。樹林さんをはじめとする皆様方の力を借りて新作歌舞伎を作るという事で、いつにも増して緊張と責任を感じております。ゆくゆくはこの『石川五右衛門』が歌舞伎の古典となるような作品にしていきたいと望んでいます。
現代、歌舞伎の脚本を書くのは非常に難しい事です。しかもそれが『石川五右衛門』となると、ある程度羽目を外すほどの本でなくてはいけないと思っていました。そんな時、海外も認める日本の漫画、その世界で活躍している樹林さんと出会い、今の漫画ならではの面白さと昔からある歌舞伎が融合できたらとても面白いものになる、という感覚を持ちました。
樹林さんの情熱、才能、感覚は素晴らしく心打たれるものがあります。その原作を元に、今どの様に歌舞伎に変換するか、皆で考えながら話をまとめています。秀吉と五右衛門の人間関係、そういうものに渦巻く自分の葛藤・・・大盗賊でありながら、非常に人間的な魅力を持った石川五右衛門を歌舞伎にするのはとても大変な作業ですが、毎日皆と一緒に、共に楽しく闘っているような感覚で作業を進めています。
今回の公演には父・團十郎が出演して下さいます。父とお芝居をさせていただくことは、勉強にもなり、緊張感もあります。そして、父に出演して良かったと思ってもらえるような作品に創り上げるという事は、自分にとって大きなプレッシャーでもあります。今回このような機会に恵まれ、父と舞台をともにできる事をとてもありがたく思っています。
今回の本は、樹林さんが僕のために当て書きをしてくださっているので、非常に僕に近い感じの石川五右衛門になっています。これをさらに創り上げ、皆様に楽しんでいただける五右衛門像を新たに創りたいと思っています。そして盗賊の五右衛門らしく、舞台からお客様の心を奪いたいと思っています。
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